断熱リフォームでどれくらい変わる?光熱費と住み心地の違い

「夏は2階が蒸し暴い」「冬は足元から底冷えする」
こうしたお悩みを感じている方は、少なくないのではないでしょうか。室内の寒さや暑さの原因は、住宅の断熱性能が不足していることにあるかもしれません。
国土交通省の推計によると、日本の住宅ストック約5,400万戸のうち、現行の省エネ基準を満たす住宅は約18%にとどまります。つまり、多くの住宅は断熱が十分でない状態にあるといえます。
この記事では、断熱リフォームによって光熱費や住み心地がどのように変わるのか、窓・外壁・天井・床といった部位別の工事内容や費用の目安も含めて解説します。断熱リフォームを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
家が寒い・暑いのは「断熱不足」が原因かも
住まいの寒さや暑さの多くは、建物の断熱性能が不足していることに起因しています。特に窓・外壁・屋根・床は熱の出入りが大きく、室内環境に大きな影響を与えます。まずは、なぜ室内が快適にならないのか、その原因を見ていきましょう。
■窓から逃げる熱は全体の約6割
住宅の中で最も熱の出入りが大きいのが、窓です。
一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の資料によると、冬場に暖房の熱が窓から逃げる割合は約58%にのぼります。また、夏場に外気の熱が窓から侵入する割合は約73%とされています。
寒さの原因の約6割、暑さの原因の約7割が窓にあるといえます。エアコンの効きが悪いと感じる場合、まず窓の断熱性能を見直すことが改善の第一歩になります。
参考:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会「住宅の部位別熱損失割合」
■外壁・屋根・床からも熱は逃げている
熱の出入りは窓だけではありません。外壁や屋根、床からも熱は伝わっています。
断熱材が十分に入っていない外壁では、冬は外の冷気が室内に伝わりやすくなります。また、屋根の断熱が不足していると、夏場は日射の影響を2階に強く受け、室温が上がりやすくなります。床下の断熱が不十分な場合は、足元から冷気が上がってくるため、底冷えの原因になります。
住宅全体で熱の出入りが発生しているため、総合的な断熱対策を検討することが大切です。
■日本の住宅の約8割は断熱が足りていない
実は、日本の住宅の大半は断熱性能が不足しています。
国土交通省の推計によると、住宅ストック約5,400万戸のうち、現行の省エネ基準を満たす住宅は約18%にとどまります。また、断熱材がまったく入っていない「無断熱」の住宅も約24%を占めているとされています。
特に築年数が経過した住宅では、当時の基準が現在よりも低かったため、断熱性能が不足している可能性があります。「うちの家は寒いかも」と感じたら、断熱リフォームを検討する一つのきっかけになるかもしれません。
参考:国土交通省「最近の省エネ施策について」
断熱リフォームで得られる3つの効果
断熱リフォームには、光熱費の削減、住み心地の向上、健康リスクの低減といった複数のメリットがあります。ここでは、断熱リフォームによって具体的にどのような効果が期待できるのかを見ていきましょう。
■光熱費の節約につながる
断熱性能が向上すると、冷暖房の効率が良くなり、光熱費の削減が期待できます。
たとえば、全ての窓を断熱改修した場合で年間約0.9~4.5万円、窓に加えて天井・床の断熱も行った場合で年間約1.8~7.1万円の光熱費削減が見込まれるとされています。長い目で見ると、その差は大きなものになるでしょう。
参考:先進的窓リノベ2025情報ステーション「戸建住宅における断熱改修の効果」
■夏も冬も過ごしやすい家になる
断熱性能が上がると、外気温の影響を受けにくくなり、室温が安定しやすくなります。
冬場は暖房の暖かさが逃げにくくなるため、底冷えや寒暑差が緩和されます。夏場は外気の熱が室内に入りにくくなるため、エアコンの効きも良くなるというメリットもあるのです。
また、断熱性能が高まると、外気との温度差が小さくなるため、結露が発生しにくくなります。結露はカビの原因にもなるため、断熱リフォームは住まいの衛生環境の改善にもつながります。
■ヒートショックなど健康リスクの低減が期待できる
断熱リフォームには、快適性の工場だけではなく、健康面でのメリットもあります。
国土交通省が支援する「断熱改修等による居住者の健康への影響調査」では、断熱改修後に居住者の起床時の最高血圧が有意に低下したことが報告されています。また、室温が低い住宅では、コレステロール値が基準範囲を超える人や、心電図の異常所見がある人が多い傾向も確認されています。
部屋間の温度差が小さくなることで、入浴時などに起こりやすいヒートショックのリスク低減にもつながります。快適な室温を保つことは、家族の健康を守ることにもつながるといえるでしょう。
部位別に見る断熱リフォームの工事内容と費用
断熱リフォームには、窓・外壁・天井・床など、さまざまな部位の工事があります。それぞれの特徴や費用目安を把握しておくことで、自宅に合った断熱対策を検討しやすくなります。
■窓の断熱
窓の断熱リフォームで代表的なのが、内窓(二重窓)の設置です。
既存の窓の内側にもう1枚窓を取り付けることで、窓と窓の間に空気の層ができ、断熱効果が高まります。施工は1窓あたり数時間程度で完了することが多く、比較的手軽に取り組める断熱工事です。
費用の目安は、内窓設置で1窓あたり約5~15万円程度です。窓の大きさや選ぶガラスの種類によって費用は変わりますが、断熱ガラスへの交換や窓サッシの交換と比べると費用を抱えやすい方法です。
■外壁の断熱(充填断熱・外張り断熱)
外壁の断熱工事には、主に2つの方法があります。
一つは、壁の内側に断熱材を充填する「充填断熱」です。もう一つは、外壁の外側に断熱材を貼る「外張り断熱」で、住みながらの工事が可能です。
費用の目安は、充填断熱で約80~150万円、外張り断熱で約100~300万円程度です。外壁塗装や張り替えのタイミングで断熱工事も併せて行うと、足場代などを共有できるため効率的です。
■天井・床の断熱(断熱材の追加・吹き込み)
天井裏への断熱材の敷き込みや吹き込み、床下からの断熱材追加も、効果的な断熱リフォームの方法です。天井の断熱は、夏場の日射熱が2階に伝わるのを防ぎ、冬場は暖房の熱が屋根から逃げるのを抑えます。
床の断熱は、床下からの冷気の侵入を防ぎ、足元の冷えを改善する効果があります。床を剥がさずに床下から施工する非破壊工法であれば、住みながら工事が可能です。
費用の目安は、天井が約30~60万円、床が約30~60万円程度となっています。施工方法や住宅の状況によって費用は変わりますので、まずは専門業者に相談されることをおすすめします。
断熱リフォームで失敗しないためのポイント
断熱リフォームを検討する際には、優先順位の考え方や補助金の活用、業者選びのポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、失敗しないために知っておきたいポイントをご紹介します。
■まずは窓から始めるのが効果的
断熱リフォームを始めるなら、まずは窓の断熱から取り組むのが最も効果的です。
前述のとおり、窓は住宅の熱の出入りが最も大きい部位です。内窓の設置であれば、1窓あたりの費用も比較的抱えやすく、工事も短時間で完了します。
窓の断熱で効果を実感した上で、床・天井・壁へと広げていく進め方がおすすめです。無理なく段階的に取り組める点も、断熱リフォームの大きなメリットです。
■補助金を活用すれば費用を抱えられる
断熱リフォームには、国の補助金制度を活用できる場合があります。
代表的な制度としては、窓やドアの断熱改修を対象とした「先進的窓リノベ事業」(環境省)、省エネリフォームを幅広く対象とした「子育てグリーン住宅支援事業」(国土交通省)、住宅全体の断熱改修を支援する「既存住宅の断熱リフォーム支援事業」(環境省)などがあります。
検討される場合は、各事業の公式サイトで最新情報を確認したほうがよいでしょう。
■信頼できる業者に相談することが大切
断熱リフォームは、住宅の構造や状態によって最適な工事内容が異なります。
そのため、断熱工事の実績があり、住宅の状況をしっかり調査した上で提案してくれる業者に相談することが大切です。複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用を比較検討されることをおすすめします。
無料診断や見積もりを活用して、お住まいの現状を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、断熱リフォームの効果や部位別の工事内容・費用の目安、失敗しないためのポイントについて解説しました。
住宅の断熱性能を高めることで、光熱費の削減、夏も冬も快適な住まいの実現、そしてヒートショックなどの健康リスクの低減にもつながります。
断熱リフォームは、まずは熱の出入りが最も大きい窓から取り組み、その後、床や天井、壁へと段階的に広げていくのが効果的です。補助金を上手に活用すれば、費用の負担も軽減できます。
もし、お住まいの寒さや暑さでお悩みのことがあれば、お気軽に私たち山永にご相談ください。地域密着で住まいのリフォームを手がけてきた私たちが、お住まいの状況やご希望に合わせた最適なご提案をいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
